甘音side (攻・双子兄)


甘音(あまね)くんの恋人にして欲しいってお願いしたら、僕のこと嫌いになっちゃう?」



 秘密基地。

 メロンクリームソーダ。

 幼なじみの若葉(わかば)


 好きな場所で、大好きなものを飲みながら、とびきり大好きな人から告白をされたら、人間はどうなるか。 

 日々心掛けている優雅な微笑みなんて、顔から逃げだしちゃうよね。


 少なくとも今の俺・都守(ともり)甘音(あまね)はそうで。

 スプーンで運んだバニラアイスを口の中で溶かしたままマネキン化。

 (若葉が俺のことを好き?)

 本場のペンギンに癒されたいなんて安易な気持ちで南極に降り立った小学生みたいに、全身がカチンコチンに固まってしまった。



「あっ今の……甘音くんへの告白ってわけじゃなくて……付き合って欲しいとか、そんなおこがましいことなんか期待してなくて……」