願いを叶える場所

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「ここで願いを叶えられるって本当ですか...?」
「まあ叶えることはできます」

噂は本当だったんだ
私はきっと無表情だと思うだけど心の中では大喜びしていた

ずっと来たかったきて願いを叶えたかった
あの辛い生活から逃れるために

「ですが条件があります」
条件..?

「願いを叶える代償にあなたの...お客様の大事なものをひとつ頂戴します」

代償...?大事なもの...?
そんな話ひとつも聞いてない....

「代償ってどんなのですか..?」


けど...
あの生活に本当に別れを告げることが出来るのなら

「代償は願いごとによって変わります」

「お客様の願いはなんですか?」
微笑みながら言うオーナーさん
先程のとはまた違う笑顔不気味な笑顔だった
「私の願いは...」








「元の...生活に戻してください」

「元の生活...?とはどういうことでしょう」
「母が亡くなる前の生活です」

私達家族の生活が狂ったあの日
母が...会社が潰れなければ...
父はああならなかった
母が亡くなる前は父も普通の優しい人だった
だから父がああなったのは


母の死が原因だと思う

私の母は2年前私の誕生日の日に交通事故でなくなった

原因は相手の居眠り運転

その日のことは覚えてる
雨がすごいのに母は外にでて買い物に行った
何を買いに行ったかは分からない
けど母は雨の中何かを買いに行った
それが(母の死)全てのことの始まりだから戻りたい


"あの幸せな生活に"


「わかりました」

「それでは代償は...貴方の大切なものである」


「陸上をいただきます」

オーナーは静かに無表情でそう言う
が私は一瞬理解できなかった

私から陸上をいただく...?
どういうこと...?
「貴方の陸上への愛はとても美しい」

「だから貴方が今までの陸上での辛い気持ち嬉しい気持ちを全ていただきます」

私から陸上を....
オーナーさんが言う通り私は陸上が大好きだ
昔から走るのが好きで今までの時間のほとんどは走って生きてきた

それが無くなる...けどそれを受け入れればあの辛い生活
から抜け出せる...お母さんが戻ってくる



それなら私は陸上を捨ててもいい
「わかりました」
「それでは陸上を捨てるということですね」

「はいですが私」


「もし陸上が私からなくなってもきっとまた陸上を好きになると思います」

「ほう...それはなぜ?そう思うのですか?」

「今のご時世走る人は少ないかもですが」
「だからこそ私の陸上愛を見せつけることが出来るチャンスだとも思うからです」

「ふふ面白いですね」
オーナー:(きっと無理だと思うがそう思うのは自由だ)

「それでは貴方を2年前の誕生日に戻します」

「そして貴方のお母様は出かけなくて済むようになります。それでよろしいでしょうか」

先程の笑顔が消え無表情でずっと話すオーナーさん

「はい」
「本当に陸上とは離れますよろしいですか?」

「はい」

ゲームをリセットする時に何度も聞かれるように何度もオーナーさんは私に聞く

「それでは少々お待ちください」
そういいまたオーナーさんは奥に入っていく