願いを叶える場所【完】

ねえ知ってる?


本当に叶えたい願いがある人だけが行ける秘密のカフェの噂





そのカフェの名前は





"'ウィッシュ"




そのお店は外は白い壁の茶色の木のドア
ヨーロッパにあるようなカフェだけど何か秘密がありそうな独特な雰囲気のカフェ



この話はそんな願いを叶えてくれるという不思議な力フェの1日の話




ガチャ


「いらっしゃい」
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私、大野絢香(あやか)は茶色の可愛らしい大きなドアをゆっくり開ける。

するとカランカランと音がなり
カウンターからお店の人であろう人が顔をだした。

「いらっしゃいませ」

前髪を左に七三分けした黒髪のイケメンがにっこり笑顔で私に向かって言う。

「こんにちは」
店の中に入り私は挨拶をする。

「こちらにどうぞ」
その人はカウンターを指さしそういう
私は茶色のイスにゆっくり歩き座る。

「こちらメニューです。ごゆっくり」

と笑顔でメニューを渡してくる男性、私は貰ったメニューを開き何があるか見てみる。

そこには美味しそうに写真に取られた料理の写真と料理名が書かれていた。
何か頼もうかな....けどお金がな...。
私はメニューに書いてあるだろう値段を見るけど、あれ....おかしいな値段が書かれてない...

「あの…」

「はい、どうかされましたか?」

「値段が書かれていないんですけど...」

「お客様からお金なんて貰えませんよ」

と微笑むお店の人
え?どういうこと??ここお店だよね
私の頭の中にハテナが浮かぶ。
お客様からはお金を貰うものなんじゃ...

「ただってことですか..?」

私は恐る恐る聞く
冗談で言ったつもりがお店の方ははっきりと

「はい」

ただなんだ...なんか怪しい...
そう思うけどメニューの写真を見ると
最近お腹が好かなかったのに何故かどうしても食べたくなる。

どれ食べよう...全部食べたい
きっとまた晩御飯は食べれないだろうしガッツリ食べちゃってもいいよね...

「じゃあこのオムライスください」

「かしこまりました少々お待ちください」
そういいお店の方は奥に入っていく
私は茶色と白で統一された店内を見渡す統一されていて綺麗だな...けど

本当にここってあの願いを叶えてくれるっていう、



"'ウィッシュ"なのかな
いや"ウィッシュ"じゃないと私が殺されちゃう...一刻も早く私の願いを叶えてもらわなきゃ






「こいつ!!!」

「うっ」

私はお酒の匂いのすごいお父さんに頬を殴られる
「なんでまだ夕ご飯作ってないんだ!!あ"あ?」
低い声で叫ぶお父さん
「ご、ごめんなさい...ぶ、部活で..」
「じゃあ部活やめろな?そうすれば勉強の時間も取れるだろな?」

「そ、それは嫌!!い、急いでつ、作るから!頑張るから!!」


「じゃあ早く作れ!!」

そういい頭を下げていた私の頭を蹴り部屋から出ていくお父さん

な、なんで私だけ...こんな目に...


そんなことを思い出していると

「オムライスです」
コトッと出来たてだからなのか蒸気が上るオムライスをお店の人が私の前におく

「美味しそう…」
久々に誰かに作ってもらったご飯だ…

「いただきます」
私はスプーンを取りフワッフワの卵とケチャップライスをすくう

すると口に入れた瞬間アツアツの卵とケチャップのトマトの味がする

「美味しい….」
「良かったです」

そう笑うお店の人
ずっと思ってたけど...
「すみません...えっと店員さんですか...?」

まあエプロンつけてるから店員なんだろうけど...
「申し遅れました私ここのオーナーです」

あ、オーナーさんなんだ....

「あのそれでここってあの噂の"ウィッシュ"であってますか..?」

そう聞くとオーナーさんは雰囲気が少し変わり

「はい」
と笑った


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「ここで願いを叶えられるって本当ですか...?」
「まあ叶えることはできます」

噂は本当だったんだ
私はきっと無表情だと思うだけど心の中では大喜びしていた

ずっと来たかったきて願いを叶えたかった
あの辛い生活から逃れるために

「ですが条件があります」
条件..?

「願いを叶える代償にあなたの...お客様の大事なものをひとつ頂戴します」

代償...?大事なもの...?
そんな話ひとつも聞いてない....

「代償ってどんなのですか..?」


けど...
あの生活に本当に別れを告げることが出来るのなら

「代償は願いごとによって変わります」

「お客様の願いはなんですか?」
微笑みながら言うオーナーさん
先程のとはまた違う笑顔不気味な笑顔だった
「私の願いは...」








「元の...生活に戻してください」

「元の生活...?とはどういうことでしょう」
「母が亡くなる前の生活です」

私達家族の生活が狂ったあの日
母が...会社が潰れなければ...
父はああならなかった
母が亡くなる前は父も普通の優しい人だった
だから父がああなったのは


母の死が原因だと思う

私の母は2年前私の誕生日の日に交通事故でなくなった

原因は相手の居眠り運転

その日のことは覚えてる
雨がすごいのに母は外にでて買い物に行った
何を買いに行ったかは分からない
けど母は雨の中何かを買いに行った
それが(母の死)全てのことの始まりだから戻りたい


"あの幸せな生活に"


「わかりました」

「それでは代償は...貴方の大切なものである」


「陸上をいただきます」

オーナーは静かに無表情でそう言う
が私は一瞬理解できなかった

私から陸上をいただく...?
どういうこと...?
「貴方の陸上への愛はとても美しい」

「だから貴方が今までの陸上での辛い気持ち嬉しい気持ちを全ていただきます」

私から陸上を....
オーナーさんが言う通り私は陸上が大好きだ
昔から走るのが好きで今までの時間のほとんどは走って生きてきた

それが無くなる...けどそれを受け入れればあの辛い生活
から抜け出せる...お母さんが戻ってくる



それなら私は陸上を捨ててもいい
「わかりました」
「それでは陸上を捨てるということですね」

「はいですが私」


「もし陸上が私からなくなってもきっとまた陸上を好きになると思います」

「ほう...それはなぜ?そう思うのですか?」

「今のご時世走る人は少ないかもですが」
「だからこそ私の陸上愛を見せつけることが出来るチャンスだとも思うからです」

「ふふ面白いですね」
オーナー:(きっと無理だと思うがそう思うのは自由だ)

「それでは貴方を2年前の誕生日に戻します」

「そして貴方のお母様は出かけなくて済むようになります。それでよろしいでしょうか」

先程の笑顔が消え無表情でずっと話すオーナーさん

「はい」
「本当に陸上とは離れますよろしいですか?」

「はい」

ゲームをリセットする時に何度も聞かれるように何度もオーナーさんは私に聞く

「それでは少々お待ちください」
そういいまたオーナーさんは奥に入っていく

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オーナーさんが奥に入って15分がたった

本当にあの辛い生活を変えれるのだろうか

そんな心配をしながら残りのオムライスを食べる
冷たいけど美味しい...お母さんの味ににてる

私の母は昔から料理が美味かった


私は特にお母さんの作るオムライスが好きだった
ここのオムライスと似てて卵がふわふわのやつ


お母さんが亡くなったあとも何度か自分で挑戦したみたけど何故かふわふわの卵にはならなかった

どうやって作ったのか

オーナーさんに聞いてみよっかな...


そう考えているとカランカランと誰かが入ってきた音がする

誰だろ....


そう思い後ろをむく


私は入ってきた人....を見て私は目を開く
「あ!ロアさんどこに行ってたんですか!探しましたよ」

オーナーさんに"ロアさん"と呼ばれる猫が入ってきた

「にゃあー」

「そうなんですね、あ!それより仕事ですよ」
「にゃぁ?」

「そうそうあの子ですよ」

何を話してるんだろ...

オーナーさんはロアさんという猫の前にしゃがみこみ

何かを話し始めた


それにしても綺麗な猫だなぁ...
ロアさんと呼ばれていた猫は真っ黒い毛並みで目はシトリンという宝石の色に似ている

そう思いながら猫を眺めていると

オーナーさんが猫を抱き抱え立ち上がる

「お客さんこちらうちの看板猫のロアさんです」

へ〜....看板猫なんだ

「願いを叶えるのはこのロアさんに手伝ってもらいます」

猫に手伝ってもらう...?

「それはどういう...」
「まあやってみればわかるでしょう」

そうオーナーさんが言うと奥からチンとトースターが焼き終わった時になるような音がする

「お、焼き上がりましたか」
そういいまた奥に入って行くオーナーさん
そして5分もしないうちに帰ってくる

「それでは準備はよろしいですか?」
そう顔色を一切変えず聞くオーナー

そんなの決まってる




「はい、もちろんです」

「それではこちらを」
そういい私の前に何かを置くオーナーさん
私は静かに机に置かれたものを見る

「これは…?」
「シホンケーキです。生クリームをつけてお食べ下さい」
え....?ふざけてるの??

「なぜ…?」
「食べてみたら分かりますよ」

そういい微笑むオーナーさん
こんなの食べてる暇なんてないのに
そう頭ではわかっているのにどうしても食べたくなってしまう

「いただきます...」
そういい1口、口に入れる

すると口いっぱいにクリームの甘さとシホンの柔らかさが広がる

美味しい...そう思った瞬間




頭が真っ白になる
あれ....?なにこれ....







「grant a wish」

オーナーさんのその声を最後に私の意識は飛ばされた

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ここは...?
目が覚めると真っ白な場所にたっていた

「にゃ~」
すると目の前にロアさんが現れるそしてこちらを見て右を向き

「にゃあ」と鳴く
着いて来いってことかな...?私はわけがわからずとにかくロアさんに着いていく

少し歩くとひとつのドアが現れる

「このドア..」
このドア前住んでいた家のドアだ....
シンプルな黒色でとってが木でできているドア
「みやあ」
ずっと歩いていたロアさんがドアの前で止まり開けてとでも言っているようになく

「開けろってこと...?」
私はゆっくりドアを押し開ける
「あ!おかえり!絢香!」
ドアを開けるとずっと聞きたかった声が聞こえる

おかあ...さん...

私は母を見てすぐ息をするのも忘れる
なんで....

「どうしたの絢香何かあった?」
私が泣いているのを見て慌てて私に近づきしゃがみこむお母さん
「う、ううんち、違うの。ただ単に幸せだなって」
私は涙を流しながら笑う
お母さんは一瞬驚いた顔をして
「ふふ、そうなの」
そう微笑むお母さん

それを見て私は改めてお母さんが帰ってきたことを実感した

入ろうと言われ家の中に入ろうとする
開けっ放ししたドアを閉めようと後ろを向くと私が来た白い世界にロアさんがちょこんと座っていた

「ありがとう、ロアさん、オーナーさん」
そうお礼を言うとロアさんは幸せにねとでも言ってくれているように
「みやあ」
と鳴く
返事を聞いて私は静かにドアを閉める




それから私は母、父、私の3人で前の暮らしに戻った



変わったことといえば私が陸上をしなくなったことぐらいだ

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sideオーナー


あの女の子が願いを叶えた後の世界に行った後一人ウィッシュで片付けをしながら願いの玉を見つめる


やっぱり綺麗だ

願いの玉とはお客様の願いの代わりの代償を詰め込んだ物、代償によって色が変わる本当に面白い
するとドアが開きカランカランと音が鳴る


そして黒い猫が入ってくる
「にゃあ」
「ロアさんおかえりなさい」
「みやあ」「良かった無事いけたんですね」
「みやあ?」
「そうですね確認してみますか」
ロアさんに確認しないのか聞かれたので片付けを終えある場所に向かう

「こんばんはクリスタル」

「オーナーじゃないか久しぶりだね」

僕らが向かったのはウィッシュの少ない店員の一人クリスタルの元だ
クリスタルは30代ぐらいのかっこいいお姉さん

「またお客を見るかい?」

「ええお願いします」
クリスタルは願いを叶えたその後のお客様のことが水晶で見ることができる
「見えたよ」
少しするとクリスタルが言う
僕とロアさんは水晶を覗き込むそこには楽しそうに笑う先程のお客様がいた。
「楽しそうでなにより」
けど…
「このお客様もか…」
笑顔を消してボソリとつぶやく


まあいつもの事だ
さあ次はどんなお客様が来るかな。