嵐のあとの綺麗な空

悠翔と真央が付き合い始めてから、最初は本当に幸せそうだった。
みんなで集まるたび手をつないで、写真撮ればすぐ2人でくっついて。
でも、だんだん空気が変わっていった。

「最近喧嘩ばっかり……」
真央が私の部屋で泣きながら言ったのは、付き合って2ヶ月半くらいのとき。

悠翔は「真央が俺のこと信じてくれない」って私に相談してきた。
真央は「悠翔が優しすぎて、逆に不安になる」って。

結局、付き合ってちょうど3ヶ月で別れた。

別れ話が出た日の夜、悠翔から電話。

「……俺たち、今日で終わった」

声が掠れてた。
いつもみんなを引っ張ってる悠翔が、こんなに弱々しいの初めて聞いた。

「ごめん、聞いてるだけで」
「いや……凪咲に話したかった」

それから、悠翔と2人で会う回数が急に増えた。

- 夜のコンビニで缶コーヒー飲みながら
- ドライブがてら海沿いを走って
- 私の部屋で映画見ながら

「真央のこと、まだ好き?」って聞いたら、
悠翔は苦笑いして首を振った。

「好きだったけど、もう違う。
 ただ、失恋ってこんなに痛いんだなって」

私は黙って聞いて、
「大丈夫、悠翔はすぐ立ち直れるよ」って言った。

でも正直、私も胸がざわざわしてた。

悠翔と2人でいる時間が長くなるたび、
昔みたいに「ただの友達」って感じじゃなくなってきてるのが、
自分でもわかった。

【颯太】
悠翔と真央、別れたんだって?

【凪咲】
うん、今日

【颯太】
……そう
悠翔、大丈夫?

【凪咲】
今、私と一緒にいるよ

【颯太】
そっか

少し間があって、

【颯太】
最近、凪咲ちゃん悠翔とよく会ってるって聞いた

【凪咲】
相談に乗ってるだけ

【颯太】
うん
……気をつけてな

その一言に、
なぜかドキッとした。

失恋した悠翔と、
遠距離の颯太と、
私の距離が、
少しずつ変わり始めてた。