嵐のあとの綺麗な空

花火大会の夜、ついに来た。

みんなで浴衣着て河川敷に行ったとき、
悠翔が真央を少し離れた場所に連れて行った。

花火がバンバン上がる中、
遠くから見てる私たちには何も聞こえなかったけど、
悠翔が真央の手を握って、
真央が驚いた顔で、でもすぐに頷いたのがわかった。

帰り道、2人が手をつないで戻ってきた瞬間、
みんなで大歓声。

悠翔が照れながらも、
「俺、真央のことずっと好きだった。今日、付き合ってくださいって言ったらOKもらった」
真央は顔を真っ赤にして俯いてたけど、幸せそうに笑ってた。

みんなで「おめでとー!!」って抱きついたり肩叩いたり。
私も真央の手を握って「よかったね」って言ったら、
真央が泣き笑いで「ありがと……」って返してきた。

その夜、颯太に報告。

【凪咲】
悠翔と真央、今日付き合うことになったよ!
花火大会で告白してた(笑)

【颯太】
マジか
よかったな、悠翔
あいつめっちゃ緊張してたって言ってたのに

【凪咲】
うん、めっちゃ幸せそうだった

【颯太】
……いいな
誰かをこんなに幸せにできるって

【凪咲】
颯太は?

【颯太】
俺?
まだ、そんなの考えられないかも

短いやり取りで終わった。
颯太は悠翔のことを本気で祝福してたし、
私に対しても、いつもの優しい距離感のままだった。

好きとか、そういう話はまだ出てこない。
でも、なぜか少しだけ胸がざわついた。

誰かが幸せになるのを見ると、
自分の気持ちが少しずつ輪郭を帯びてくる気がして。