嵐のあとの綺麗な空

颯太がいなくなって1ヶ月ちょっと。
LINEと電話だけで繋がってる日々が続いてた。

今日は土曜の夜。
珍しく颯太から連絡が来ない。

【凪咲】
今何してる?

【颯太】
ごめん、今日は飲んでる
遅くなりそう

既読がついて、それきり。

そしたら真央から鬼電。

「凪咲ー! 今からドライブ行こ! 悠翔くんが車出すって!」

颯太がいない地元グループで、いつものメンツ

悠翔のワゴンに乗り込んで、海沿いへ。
窓開けて風受けながら、みんなで爆音で歌ったり、コンビニでアイス食べて馬鹿笑いしたり。

真央が「颯太くんいたらもっと盛り上がったのにね〜!」って言ったら、
みんな「確かに!」って笑った。

悠翔も笑いながら、
「アイツ、女関係だけはちょっと派手だからな〜」って小声で付け足した。

みんな「まぁ颯太だしね〜」って苦笑い。
私も笑って合わせたけど、胸が少しだけざわついた。

海の見える駐車場で花火してるとき、
私はちょっと離れてスマホを開いた。

【凪咲】
みんなで海来てる
花火してるよ

5分くらいして、返信。

【颯太】
いいな
俺も行きたかった

【凪咲】
飲んでるくせに

【颯太】
うるさい
……凪咲ちゃん、花火見てる顔、絶対可愛い

急にそんなこと言われて、顔が熱くなった。

【凪咲】
バカ

【颯太】
今すぐ迎えに行きたい

胸がドキッとした。
でもその後、既読のまま返信が来ない。

花火が終わって車に戻る途中、
悠翔がそっと近づいてきて、

「颯太と最近連絡取ってる?」

「……うん、毎日」

「そっか。アイツ、向こうでも相変わらず女の子にモテるみたいだなって拓海が言ってた」

みんな本当に颯太のこと好きだから、
悪口じゃなくて、ただの「颯太あるある」って感じで笑ってた。

でも私は、なぜか胸がモヤモヤして、
スマホを握りしめたまま、
夜空を見上げてた。

颯太がいない夜って、
なんだか物足りなかった。