嵐のあとの綺麗な空

颯太は市外の少し遠いところで働き始めた。
車で1時間半くらい。

でも私は、次の日仕事でも関係なく
「今から行くね」って連絡して、夜の道を飛ばして会いに行ってた。

たまに真央を誘ったり、莉緒を誘ったりしたけど、
真央は学校が忙しくて、莉緒と2人で行くことが多かった。

颯太の新しい部屋は狭くて、
コンビニ弁当食べながら、
「また来たの?」って笑われながら、
私は「うん、また来た」って答える。

だんだん、もう隠せないくらい
颯太のことが好きになってた。

でも、いつも私ばっかり会いに行ってる。
颯太は「来なくていいよ」って言うけど、
「来てくれるの待ってるくせに」って思っちゃう。

ある夜、いつものように部屋でダラダラしてるとき、
颯太が急に真剣な顔で言った。

「……凪咲ちゃん、俺のこと追いかけてくれてるの、嬉しいけど
 俺、ちゃんと返せてないよな」

「え?」

「いつも凪咲ちゃんが来てくれる。
 俺、迎えに行ったりしないし」

胸がドキッとした。

「でも……颯太くんも、私のこと
 嫌いじゃない……よね?」

小声で聞いたら、颯太は少し目を逸らして、
「……そんなわけないだろ」

それだけ言って、
颯太は私の頭をぽんって叩いた。

その手が、すごく温かくて。

いつも私ばっかりだと思ってたけど、
颯太も、ちゃんと私を見てくれてる気がした。