甘々とロマンス中毒

物心ついたときから、私の世界にはあやちゃんがいた。魔法にかかるように“大好き”が恋になった。

5歳の私が、あやちゃんに言われた「赤ちゃんの頃から知ってるよ」は、こころがひりひりして。ちょっとだけ恥ずかしかったんだ。

だって、私はあやちゃんが産まれた頃を知らないのに。「そんなのズルいよ。不公平だ」って思ったんだもん。

11歳の参観日。
パパもママも仕事で学校に来れなかったの。
悲しくて寂しくて、しゅんと凹んで。隣の席の子が家族の顔を見て喜んでる姿を目にすると、ころんと涙が落ちそうだった。

溢れそうな涙をいっぱい我慢した。そんなとき、誰かに「いさく」と呼ばれて振り向いたら、あやちゃんがいた。パパとママの代わりで来てくれた。

「(わぁああっ。あやちゃんだ〜〜)」

ほっぺが熱くなり、顔の横で小さく手を振ったのを覚えてる。

みんなから、一咲ちゃんは菖くんのお兄ちゃんが来てくれていいなぁって、羨ましがられたんだっけ。

幼い頃に描いた夢が、お花屋さんからあやちゃんのお嫁さんになって。

高校生になった私は、大好きな人の彼女になった。

小学生の私がそれを知ったら、きっとびっくりするんだろうな。