「みんな〜〜。実行委員会から招待券貰ったよ」
牧ちゃんの右手には分厚い束のチケット。
「やったぁ」「待ってました!」と、わっと盛り上がって、みんな嬉しそうに、牧ちゃんから指定の枚数を手渡してもらってる。
桜咲高校の文化祭はちょっと特殊だ。
家族以外、外部の人たちが入るには在校生からの招待券が必要で、一人につき二枚まで貰えて、一枚三名まで呼べるの。
「はいっ。一咲ちゃんは二枚ね」
「ありがとうございます」
箔押しを施した紙が手元で輝く。
大事に眺めているだけで、ふわりと脳裏に王子さまが浮かぶ。
私が招待するのは、ふうちゃんとあやちゃん。
ふうちゃんは幼なじみと。
あやちゃんは伊吹さん、信玄さんと来てくれるんだ。
劇を見てもらうのは、しんぞーが張り裂けそうなくらいドキドキするけど…。
「(あやちゃんと一緒に回るの楽しみだなぁ)」
好きな人や彼氏を呼んでるとか、他校の友だちが来るとか。周りの子たちが口々に話すのを、私はうんうん頷きながら聞いて。
「一咲ちゃんは?」
「誰、呼んだの?」
自然と順番が回ってきた。
「私は中学の友だち………と」
唇をきゅっと結んで三角にした。
「と?」
牧ちゃんが不思議に首を傾げる。
「もう一人は?」
美羽ちゃんが問いかける。
ほっぺが林檎色に染め上がる。ぷしゅう〜…と蒸発する。もう、隠し通せる自信がない。
喉の奥に突っかかる言葉を、押し出した瞬間。
「か——…(れ……し)」
「一咲ちゃん」
誰かの声に上書きされた。
「今、大丈夫?」
わ、ぁ…。千花くんだ。
「衣装の調整するから、こっち来て」
「う…ウン」
言いそびれちゃった。
牧ちゃんの右手には分厚い束のチケット。
「やったぁ」「待ってました!」と、わっと盛り上がって、みんな嬉しそうに、牧ちゃんから指定の枚数を手渡してもらってる。
桜咲高校の文化祭はちょっと特殊だ。
家族以外、外部の人たちが入るには在校生からの招待券が必要で、一人につき二枚まで貰えて、一枚三名まで呼べるの。
「はいっ。一咲ちゃんは二枚ね」
「ありがとうございます」
箔押しを施した紙が手元で輝く。
大事に眺めているだけで、ふわりと脳裏に王子さまが浮かぶ。
私が招待するのは、ふうちゃんとあやちゃん。
ふうちゃんは幼なじみと。
あやちゃんは伊吹さん、信玄さんと来てくれるんだ。
劇を見てもらうのは、しんぞーが張り裂けそうなくらいドキドキするけど…。
「(あやちゃんと一緒に回るの楽しみだなぁ)」
好きな人や彼氏を呼んでるとか、他校の友だちが来るとか。周りの子たちが口々に話すのを、私はうんうん頷きながら聞いて。
「一咲ちゃんは?」
「誰、呼んだの?」
自然と順番が回ってきた。
「私は中学の友だち………と」
唇をきゅっと結んで三角にした。
「と?」
牧ちゃんが不思議に首を傾げる。
「もう一人は?」
美羽ちゃんが問いかける。
ほっぺが林檎色に染め上がる。ぷしゅう〜…と蒸発する。もう、隠し通せる自信がない。
喉の奥に突っかかる言葉を、押し出した瞬間。
「か——…(れ……し)」
「一咲ちゃん」
誰かの声に上書きされた。
「今、大丈夫?」
わ、ぁ…。千花くんだ。
「衣装の調整するから、こっち来て」
「う…ウン」
言いそびれちゃった。



