甘々とロマンス中毒

ゆっくり過ごした後、あやちゃんが家まで送ってくれました。ママからのLINEが届いていたことに気づいたのは、玄関に入ったとき。

《パパも帰りが遅いです》とのこと。既読を付けてスタンプをポンッと押したの。

一葉は塾で、お兄ちゃんもまだだ。

あやちゃんが「お父さんとお母さんは?」と尋ねたから、私は「今日は遅いみたい」と答える。

ふわり。頭上に掌が置かれた。


「一咲、一人で平気?」
「大丈夫だよ。心配しないで?戸締まりもちゃんとするから」

そこへ、ピロンと軽やかな通知音が鳴って。
ママからだと気づいて。落とした視線が文字を読む。

「ママから。“もうすぐ着くよ”だって。ふふ」

《ご飯どうしよっか🤔💭みんなの好きなグラタンにする?》

なんて、メッセージが続く。私のママは相変わらず可愛い。後でパパに見せよう。

「ん…」
「あやちゃん?」

なにか言いたげにあやちゃんが口を開いた。

「今度、お父さんたちがいるときに挨拶に行く」
「…………」
「付き合ってること、ちゃんと報告したい」

「うん、私も」


あやちゃんが頬に手を添える。
キスするんだ。そう、感覚的に思って目を瞑った。……のに、一向に触れてこない。ぱち。瞬きをした一瞬の隙に、あやちゃんが頬に口付けをしたの。

むに、と指先で摘まれた。


「俺以外の前で可愛いことしないでね」

「??」

ハテナが浮かび、首を傾げた。
あやちゃんが唇の端だけ上げて笑う。「意味、わかんなくていーよ」と。抱きしめられる。

首元にローズマリーの香りが移り、胸が高鳴った。


「(一咲のこと独り占めしないとおさまんないから)」