甘々とロマンス中毒

いちゃ…?いちゃ……?

ぱち。瞬きをした。瞳から星屑が溢れる。

甘すぎる言葉に放心状態だ。淡い唇をぽかんと開けていると「ヤ…?」と、あやちゃんが追いつめて。私の下唇を指先でなぞった。「嫌じゃないよ」と伝える。あやちゃんに体を預け、ベッドの中で他愛もない話をしたの。

次のデートの計画、文化祭の劇のこと、ママに教えてもらったクリームコロッケが上手に作れたこと、あやちゃんの大学のことや、夏休みだけだったバイトを延長することまで。

それから、来月は日帰りでテーマパークに行こうって指切りもした。ハロウィン期間はコスプレで入場できるから、制服必須。あやちゃんのブレザー姿を見たいってお願いしたら渋られちゃった。…むぅ。

あやちゃんが笑うと、私も温かい気持ちでいっぱいになる。

とりとめもなく、途切れることなく話を続けて。
甘いキスをしたり、ぎゅうしたり…思う存分にイチャイチャを堪能した。


「あやちゃん、あのね」

ふと、心のどこかで留めていた溜まりを吐露した。
あやちゃんにゆっくり近づいて、胸元にくっつきながら問いかける。

「俳優の仕事は大変だから辞めちゃったの?…つまんなくなっちゃった?」

急に弁護士になるって言うから、当時の私は驚いたんだ。
あやちゃんが、前髪の一房を掬って私の耳元にかけ直す。

「やり尽くした。だから、ふつーになりたい」

「あやちゃんなりの“普通”ってなんだろうね」

「んー…そうだな」

あやちゃんは暖色の光を受けて煌めく睫毛を伏せた。

「“これからは、一咲と一緒に生きていきたい”。これが、俺の普通。……一咲、やだ?」

子どものように甘えたあやちゃんが可愛くて頭を撫でたの。

「ううん、嬉しい」

ふにゃ、と蕩けた笑みで私は続けた。

「やったぁ」