甘々とロマンス中毒

………と、会話を辿り、鮮やかな記憶のページを捲って。頭の中で霧がかったモヤを露わにしていき……。

はて。と、呼吸を整えた。


「(ア、あれ。違うかな)」

危ない妄想をしてるのは私の方…?

「(ひゃああっ、落ち着けっ。一咲!!)」

こころちゃんとの恋バナで、私の全意識がそう言う方面に偏ってる。いけない!!

「(…って、言ってるそばから妄想が膨らんじゃう。ダメだなぁ)」

……でも、今日の下着はパステルピンクのレースが付いていて、可愛いんだよね。体育ない日だからスポブラじゃないし。

「(いちおー、準備だけ……)」

淡い期待と好奇心が混ざり合う。
とくとく、ことこと。鼓動も音色を変えていって。
ほっぺがじわりとあったかい。

「(知識は…ないに等しいけど)」

膝を抱えて小さく丸まる頭上に、甘ったるい声が降りかかった。

「ココアでいい?」

あやちゃんがテーブルにマグカップを置いた。覗き込むと、ぷくぷく。マシュマロが浮かんでいる。

「ありがとう」

と、顔を向ける私の隣にあやちゃんは胡座をかいた。リラックスした格好すら様になる王子さま。私のときめきゲージはお腹いっぱい満たされる。

「このドラマ、面白いんだってな。一咲も知ってんの?」

「ウン、最初だけ。ミステリーホラー…?で、ちょっと怖いんだぁ。ママとパパは毎週見てるけど、私は途中でやめちゃったの。ふうちゃんの推してるアイドルの子が出てるんだよ」

「へえ。俺、知ってるかな」

I'm(アイム)桜志(おうし)くん」

ふーん。と、あやちゃんが一拍置いた。

「…初めて聞いたわ。つか一咲、怖いの苦手だろ。他のに変える?」

「ウウン、へーきだよ。ふうちゃんから続き聞いて、気になってたの。……あやちゃんと一緒なら、怖いの大丈夫かなって」

「……………」

「怖いシーンがきたら、あやちゃんにぎゅってしていい?…………不可抗力です」

「もちろん、どーぞ」