甘々とロマンス中毒

「ぅ、わ…ぁ。ひゃっ。エエッ!?」
『一咲ちゃん、なにかあった?大丈夫?」

あやちゃんに意識を奪われ、声を一段と大きくする私に、こころちゃんが心配そうに問うた。
ハッとなり、一拍も置かずに答える。

「ウウン、なんにもっ」

『ほんと〜〜?怪しいなぁ』

語尾が膨らむこころちゃんの穏やかな声音が、向こう側で、くすくすと可愛く笑う。加えて、口角がにやりと上がってるのも想像できるのだ。

「こころちゃんの思い違いだよ…!」


ほんとーに!と、必死な一言も付け足して。
心臓が飛び跳ねるのを体の奥で感じる。

あやちゃんとお付き合いしてることは、菖くん以外には“まだ”秘密なので、内心あわあわしながら返事を濁した。

ふぅん。なら、いいけど…。
と、こころちゃんが疑いを含み残したまま呟いた。


『それでね、さっきの続きなんだけど…———』

ほっと息を吐く。鼓動のリズムも一定に戻り、こころちゃんの話に集中する。

「ウン」

相槌をひとつ。

『今度、彼氏の家に泊まることになって』

「……………」

耳先がこそばゆくなった。
ふつふつ。ぽわ…。なんて、聞いてる私の体温が上昇する。

こころちゃんが言葉を悩んで、考えて、ゆっくり絞り出したの。

『これは、つまり……そう言うこと、になるんだよね?……はぁ〜〜…っ』


こころちゃんの長い息が聞こえてきた。