甘々とロマンス中毒

「ひゃっ。ごめ……」
「いーよ。このまま続けるわ」

「え……」

あやちゃんの声色が変わる。

「赤ずきんの言うことが、よく聞こえるようにね」
「!(オオカミさんのセリフだ)」

「……………」

「どうして目がそんなに大きいの」

「赤ずきんの可愛い顔がよく見えるようにね」

「まあ、おばあさんの手って、なんておおきいの」

「手をしっかり掴めるようにね」

「〜〜〜〜〜…っ」


あやちゃんが私の右手を繋ぐ。すり、と手繰り寄せられて。ぎゅ、と指先が甘やかに絡まった。


「どうして おくちが おおきいの?」


左手が髪を掬い、溢れた一束を耳にかける。そのまま人差し指が滑り落ちて、耳朶を掠めた瞬間、肩が跳ねた。

頭の後ろをあやちゃんが抱くの。


「……あやちゃ、ん?」
「んー?」


ゆっくり近づき、あやちゃんが瞳を伏せる。

———ちゅ

可愛く響いたリップ音に、こころがキュー…と傾いた。キスされたのは頬だ。

ぱちんっ。ぱち、ぱち。瞬きが繰り返される。
「ふぇ?」と、蕩けた声を上げた隙にもう一度、ちゅうとさっきより低い場所…より、唇に近いところにキス。今度は甘噛みされた。

切れ長の双眸が、私を射抜く…。


「あーあ、食べられちゃった」


王子さまは悪戯っ子のように微笑んだ。