甘々とロマンス中毒

《じゃあ、改札の前で待ち合わせようか》

《了解です‪︎!早歩きで行きます!》

《おーけー》

そうと決まれば駅を目指して、改札まで真っ直ぐである。余所見なんてしません。

荷物を詰め込みすぎたリュックは重たいはずなのに、階段を降りてく途中、ふわあ〜っと足の裏が浮いて軽く感じた。あやちゃんとお揃いにしたうさぎのぬいぐるみストラップも、天使みたいに、ふわふわ舞っている。

行き交う人波を掻き分けて“早歩き”のリズムが、胸の鼓動に重なった。とんとんっと愛らしい音を奏でる。

掌で握りしめたスマホが振動する。

《前、見て》

点滅信号が赤に変わった。

立ち止まり、視線を持ち上げると———…改札で待ち合わせの約束をしていたはずのあやちゃんが、向こう側で手を挙げている。

「いさく」

唇の動きだけで、私の名前を紡いでることがわかったの。

右手を目一杯伸ばして私も手を振った。青信号に移った瞬間、人目も憚らずあやちゃんの元へ駆けた。


「あやちゃんっ!…大学、お疲れ様です」

「ありがと。待たせてごめんな」

「ううん。へーきだよ。あやちゃんが来るまでね、今日のデートプランと、次のデートプランを考えてたんだぁ…———て、アッ!(言っちゃった)」

「(可愛いを通り越して最早、愛おしいな)」

「………」

「その話、後でゆっくり聞かせて?」

「ウン」


あやちゃんが私の掌を包んだ。ゆっくり指先に這っていき、どちらからでもなく、にぎにぎする。