甘々とロマンス中毒

ささやかな乾杯。美味しいご飯。少し騒がしいのに、時たま静寂に包まれる店内。
ちかちか、キラキラ輝く暖色の光が、甘い色に染まった金髪に降りかかる。

アルコールなんて飲んでないのに、頬の真ん中から色付いていく。烏龍茶をちびちび飲みながら横目で眺めて、ときめきをそっと隠して。

「(かっこいいなぁ…)」

これからも一緒にいられますように。

そう、強く思った…———


「心さん、じゃあ」
「また来てね。あやみくんは、明後日よろしく」

ひらり、手を振る心さんに見送られて、お店を後にした。外は宵闇を纏っている。

「名残惜しいけど帰ろうか」

「あやちゃんも離れるの寂しいって思ってくれてるの?」

「そりゃ、もちろん」

「(わぁああっ。同じ気持ち…嬉しい。これが付き合うってコトなのかなぁ)」

「今日から手、こうな」

引かれた手は恋人繋ぎに。手繰り寄せた指先が絡まる。あやちゃんに、ぎゅ…ってされると、私のこころはキュンと可愛く鳴く。そこにはハートが散りばめられる。

「はあい」

ふにゃと破顔するの。

「(ふふん♩)」


鼻歌を口遊む私をあやちゃんが抱きしめた。
湿った夏風の匂いにローズマリーが混じり、微かに鼻腔をくすぐった。「キャ…」と声が突く。


「一咲」

「なあに?」

「これからもよろしく」

ふ、とあやちゃんが微笑んだ。

「大事にする」


なんでもない金曜日。
だけど、今日は特別な金曜日。

お付き合いのその先に、なにが待っているんだろう。