甘々とロマンス中毒

𓈒 𓏸𓈒𓂂𓂃♡

「一咲と付き合うことになった」

「え…!?いつの間に」

「今さっき」

「はあ!?なんだよ、その展開」

伊吹さんが眉を顰めた。グラスジョッキの氷がカランと重たく崩れる。

素っ頓狂な声音を拾い集めて、あやちゃんが「悪かったな」と言えば、伊吹さんは「……ふーん。そっか。へえ…なるほどね」と、妙に納得した面持ちで口角を上げた。

ポニーテールに結った黒髪が妖艶に靡く。


「良かった」


視線は確実に私を捉えていた。

テーブル席に案内された私たちの前に、並々注いだ烏龍茶を置く。


「今日はこれからどうすんの?」

「門限が20時だから、飯食ったら送り届ける」

「真面目〜〜。はしゃいでる割にはちゃんと節度を守る派なんだ。まぁ、そう言う紳士なところ、あやみクンって感じだよね」

「(伊吹さんの発言が、ちょっと危ない…)」

グラスの水滴を撫でつけ、ぽわん…と上目遣いに伊吹さんを眺めた。

「ふつーだろ。お前が遊びすぎてんの」


一咲’sメモ。
《伊吹さんは遊んでる》
脳内にインプット完了。ふむふむ。二、三度頷いた。もちろん、伊吹さんの目を盗んで。


「(あやちゃんとはタイプが違うイケメンだもんなぁ。キケン?な雰囲気とか…モテるのわかる)」

「はいはい。あ゛ーー耳が痛いなぁ。勘弁してよ」