甘々とロマンス中毒

「(え……。どう言うこと?)」

きょとんと口を開ける。「エ……」と、続けて落っこちる。
そんな私のふわふわした言葉の欠片を拾い上げ、くすりと唇の端に笑みをのせる。

「言ってる意味、わかった?」

密度の高い睫毛が、切れ長の瞳に薄ら影を纏う様は、まるで宝石のようだ。

浅く乱れる呼吸を、はぁ…っ。と、一息吐いた。


「〜〜っ、わか…っ、んない。……から、教えてほしい……です」

涙の跡で赤らんだ頬に、あやちゃんの指先が触れる。

「…前にさ、菫花とのことで一咲を泣かせたことあっただろ。あのとき、一咲を少しでも不安にさせた自分に腹が立った」

「あっ!あれは…私が悪かったの。あやちゃんに大丈夫だよって伝えたのに、菫花さんに会ったら不安になっちゃって。……信じられなくてごめんなさい」

「一咲は悪くないよ。いくら高校の同級生だからって、疑われるような距離感取ってた俺に非があるんだし。泣くくらい辛かったんだよな」

「……うん」


精一杯の、今日の可愛いを詰め込んで緩やかなウェーブに巻いた髪の一房を、火照った耳朶にかけた。

あやちゃんの整った顔が私に近づくの。
びく、と肩が上擦ったのと同時に、思わず目を閉じたのは一瞬で「ねえ、いさく」と、甘く呼ばれたときには、潤んだ眼差しであやちゃんだけを見つめていた。


「俺の気持ちを勘違いしてるようだけど…今日、会ったのは、一咲便じゃない日以外でも会いたいと思ったからだよ」

「……………」

「一咲が俺を想ってくれてるように、俺も一咲のことを大事にしたいから」


私の中にある、あやちゃんへの大好きが愛おしいに溢れていく。

鼻先を掠め、キスしそうな距離で動きが止まった。
視界がゆらり、揺らめき、瞬きの間に小さな星のキラキラが舞い散る。