甘々とロマンス中毒

「は…。まじか」あやちゃんが瞳をまあるくして呟いた。きょとんとなる。ハテナがこころに落っこちる。


「アイツ、一咲に変なこと言ってねえ?」

「ヘンなことって?」

「…………(千花のことが心配になって、一咲の旅行中、ため息ばっかしてたこととか。…は、言わなくていいか。あれは流石にダサすぎたな)」

「例えば…?」


質問に質問を重ねる。あやちゃんの美麗な顔はたちまち曇っていき、眉根は中央に寄った。

「も〜〜…なにが気になるの?」と、聞き返すけれど「…ん、なんでも」と、大人な対応ではぐらかさる。

ころんと残る引っかかりを解決したいような、このままでもいいような。


「(わぁ…。珍しく“スンッ”ってなってる)」

そんなあやちゃんが可笑しくて。

「ふふ。あやちゃんの顔、ヘンなの」

自然と笑みがこぼれた。

すると、マシュマロほっぺに、あやちゃんの人差し指が滑り落ち…

「キャッ!」

軽く押された反動に驚いて目を瞑る。


「一咲ちゃんの顔、ヘンなの」

「〜〜〜っ(真似された!)」

「じょーだん」

私の前髪をさらりと掬って撫でる。

「一咲は“世界一”可愛いよ」


乙女心が満たされていく。
あやちゃんの甘やかな面差しに、鼓動が加速していくのがわかった。