甘々とロマンス中毒

じわり、甘い恋に浮かされた熱を、頬に溜め込んでいく。ふにゃと口元を弛ませて。まだ、夏の空は明るく煌めいてるから、朱色に染まっていく私の顔は、あやちゃんの黒曜の瞳にどう映っているんだろう。

好きって気持ちが、とっくに暴かれてるのは、もう許容範囲。


「めちゃくちゃ、たのしーですよ」

と、あやちゃんが笑った。

「(きゅん…)」


胸の高鳴りに耐えられず、自販機で選んだカルピスを両手に一口飲んだ。甘酸っぱい味が広がる。
ことこと、私のこころが可愛いリズムを響かせる。

あやちゃんが腕時計に視線を移す。
私もいそいそと、スマホの画面に目を留めた。

照りつける太陽は高々であるが17時をとうに過ぎている。あやちゃんとの時間が楽しすぎて、あっという間で、帰るのがちょっと寂しい。


「この後、どうしようか。一咲、まだ時間ある?」

うん。と、ひとつ頷いた。

「(ママには事前に“今日、遅くなるかも”って伝えてるから、だいじょーぶです)」

「飯行く?」

「行くっ!」


前のめりに、今日一番の大きな声で返事をしたら、マルチーズを連れて公園を散歩してる女性が不思議そうに私たちを眺めた。

唇を結んで黙る私に、あやちゃんが続ける。


「んじゃ、決まりな。食べたいもんある?」

「…………」
「…………」


う〜〜〜ん。えーーー…と。

二人して悩んじゃった。

こてん。首を横に傾げるの。