甘々とロマンス中毒

𓈒 𓏸𓈒𓂂𓂃♡

やって来たのは、有名ブランドのジュエリーショップ。

はじめ、敷居の高い入口に足を踏み入れたとき「私には場違いなんじゃ…」って、オロオロきょろきょろしたけど、しばらく経った今は、ようやく店内を舞う高貴で洗練された雰囲気に慣れたところです。


「あやちゃん、見て〜〜!」

弾んだ声がころころ笑う。
私の斜め前で、ブレスレットを眺めているあやちゃんを呼んだの。

「良いのあった?」
「うんっ」

俯いた二人の視線の先にあるのは、ゴールド色の三日月ピアス。

「コレとか似合うんじゃないかなぁ」

と勧めれば、あやちゃんが腰を曲げて軽く屈んだ。

それは『ピアスつけてよ』の合図。
ローズマリーの甘やかな匂いが、鼻先を掠めてくらりとする。


「(“また”だぁ…。む〜〜ぅ、キンチョーする)」


私のドキドキも知らないで、と、こころの中で唇を尖らせた。

「一咲、終わった?」尋ねられて首を横に振り「今から…!」って、返事をひとつ。手に取ったピアスを耳元に持っていく。ちょこん。人差し指が僅かに触れて、ぴくりと私は反応する。

色んな種類のピアスを試すたび、こうやって、あやちゃんの耳朶に当てがう。

三回目の今、私が選んだのは「こちらも人気ですよ」と、店員さんから教えられたもの。「彼氏さん、なんでもお似合いになるので、選ぶの困りますね」なんて、あやちゃんに聞こえないよう耳打ちされたのも記憶に新しくて。

ほっぺから熱が全部抜けちゃうみたく、とっても恥ずかしかったなぁ。