甘々とロマンス中毒

「あやちゃ…っ。おはよ〜〜………ハッ(わ、お昼前だった!緊張しちゃって間違えてる。恥ずかしい)」

「こんにちは…」と、言い直そうとしたら「おはよ」と、あやちゃんが私を覗き込んで微笑む。ローズマリーの匂いが鼻先にくっついた。


「一夏と一葉は?」

「二人とも出掛けてるよ」


キラキラ眩しいあやちゃんを正面から見るのは、なんだか照れくさくて。俯き加減に答える。
と、そこへ掌に握ったスマホが鳴った。

兄妹のLINEグループにお兄ちゃんからメッセージだ。珍しく写真付きである。

LINE画面を開く間もなく、写真が一枚、二枚と追加されていく。人差し指で、えいっと押して確認した。

《どれがいい?》

お兄ちゃんが示したのは、某テーマパークの人気キャラクターたちの、ぬいぐるみストラップだ。その写真に映る女の子の後ろ姿は、学校で見かけたことがある。一咲の乙女な勘が働いた。

お兄ちゃんの彼女かな?
……て、コトはお兄ちゃんはデートかぁ。

ぽやんとしてるうちに《わたしはクマがいい🧸》って、一葉から。

一葉も続いて、水族館で友達と撮った写真を見せてくれる。負けじとお兄ちゃんはチュロスを手にした写真を送る。右側は、どう考えても女の子の指先で。

やっぱりデートだ…!


「お兄ちゃんはデートで、一葉は水族館に行ってるみたい」

手元のスマホをあやちゃんに向ける。
スクロールする写真を眺める。

「一夏、カチューシャ付けてノリノリじゃん。一葉も楽しそうだな」

あやちゃんが、私をゆらり、見やった。

「一咲、行こ。俺たちも、二人に負けないくらい楽しもうぜ」

「うん」


ふ、と甘やかさを残して笑うあやちゃんに、心がキュンと響いたの。