𓂃❁⃘𓈒𓏸
「なあ、あやみ。今のは何回目のため息?」
伊吹が俺を揶揄った。くすくすと色めいた声が鼓膜を刺激する。
視線を巡らせた先で、切れ長の瞳が愉しげに笑っているのを留めた。
頬杖を深めた気怠げな面持ちはより一層、伊吹の艶やかで妖しい雰囲気を引き立てる。証拠に、先ほどから女性たちの色恋の眼差しが、痛いくらい背中に響く。
「…………(無視しよ。つか、なにが楽しくて男三人でカフェにいるんだ)」
「信玄、わかる?」
パスを投げられた信玄が「ええ〜…」と困ったように優しげな眉を垂らす。考え耽る信玄を横目に、ああ…と記憶の端から理由を思い出した。
勉強しようと書店のラウンジへ行くが満席。近隣の図書館も自習室は埋まっていて仕方なしに適当なカフェへ入った。そこで、伊吹と信玄に居合わせたのだ。
「五回目じゃない?スマホばっか見つめてさ、心此処に在らずって感じ。なにがそんなに気になるわけ」
「あ゛?」
「こっっわ(言うんじゃなかった)」
低い声が鳴ったのは図星を突かれたからで。信玄が指摘するように、手元のスマホはLINE画面を開きっぱなし。
既読が付属されて数十分経つが一咲からの返事は未だない。いつもなら、ぽこぽこと可愛らしいメッセージが送られてくるはずなのに。
「(一咲、遅いな)」
こうも滞れば、心配と不安、焦りに駆られる。
「(移動中?それとも誰かに捕まって手が離せないとか)」
その“誰か”を想像すれば、千花が浮かぶ。
「(男子高校生相手に妬いてんのダサ…)」
「なあ、あやみ。今のは何回目のため息?」
伊吹が俺を揶揄った。くすくすと色めいた声が鼓膜を刺激する。
視線を巡らせた先で、切れ長の瞳が愉しげに笑っているのを留めた。
頬杖を深めた気怠げな面持ちはより一層、伊吹の艶やかで妖しい雰囲気を引き立てる。証拠に、先ほどから女性たちの色恋の眼差しが、痛いくらい背中に響く。
「…………(無視しよ。つか、なにが楽しくて男三人でカフェにいるんだ)」
「信玄、わかる?」
パスを投げられた信玄が「ええ〜…」と困ったように優しげな眉を垂らす。考え耽る信玄を横目に、ああ…と記憶の端から理由を思い出した。
勉強しようと書店のラウンジへ行くが満席。近隣の図書館も自習室は埋まっていて仕方なしに適当なカフェへ入った。そこで、伊吹と信玄に居合わせたのだ。
「五回目じゃない?スマホばっか見つめてさ、心此処に在らずって感じ。なにがそんなに気になるわけ」
「あ゛?」
「こっっわ(言うんじゃなかった)」
低い声が鳴ったのは図星を突かれたからで。信玄が指摘するように、手元のスマホはLINE画面を開きっぱなし。
既読が付属されて数十分経つが一咲からの返事は未だない。いつもなら、ぽこぽこと可愛らしいメッセージが送られてくるはずなのに。
「(一咲、遅いな)」
こうも滞れば、心配と不安、焦りに駆られる。
「(移動中?それとも誰かに捕まって手が離せないとか)」
その“誰か”を想像すれば、千花が浮かぶ。
「(男子高校生相手に妬いてんのダサ…)」



