𓈒 𓏸𓈒𓂂𓂃♡
エンジンがかかって車が走り出した。
肌を掠めるエアコンの風が涼しくて気持ち良い。
体が冷えないようにと手渡された、キャラメル色のブランケットをお腹の辺りまで当てる。
ふわふわで触り心地が抜群だ。
気を抜いたら、眠気に襲われて目を瞑ってしまいそうなほどに。
「(ダメッ。いけない…!)」
むー…っと右頬を摘んで伸ばした。
「(せっかく、あやちゃんと二人きりなんだから旅行のお土産話しでも)」
ぱっ!と指の腹を離す。
「(……でも運転中だから、煩くしちゃ迷惑だよね。はしゃぐのは子どもっぽいし。…ヨシ!大人びた感じでくーるに構えよう。声かけられたら、ちゃんとお話して……)」
そんな決意を抱きながら、視線だけであやちゃんを見つめた。
「…………」
ハンドルを握る姿も、欠点のない綺麗な横顔もかっこいい。
ドキドキして話しかけるのを躊躇って。あやちゃん、と言いたい言葉を呑み込んで。また迷っているうちに、目の前が赤信号に切り替わる。ホワイトカラーのセダンはスピードを緩めて止まった。
窓ガラスから差し込む暖色が反射して、あやちゃんの金髪が柔らかに光る。
見惚れた私は、きつく結んだ唇の端をゆるゆる解いた。
わぁ…キレー……。宝石みたい。
「いさく」と、呼ばれ「ウン」と、受け止めた私の方へ、あやちゃんが顔を向ける。ストレートに下ろした髪の束をさらりと掬い、私の耳に掛けて。
「長旅で疲れただろ。寝ていいよ」
ぽん、ぽん。前髪を撫で付けるあやちゃんの瞳が静かな熱を宿したの。
信号は黄色をちかちかと点滅する。
私の胸もとくとくと早鐘に鳴る。
アクセルを踏み込んで車が進んだ。
冷風に混ざって、シャボンの芳香剤が鼻先をくすぐる。
———…深い夢に落ちた。
エンジンがかかって車が走り出した。
肌を掠めるエアコンの風が涼しくて気持ち良い。
体が冷えないようにと手渡された、キャラメル色のブランケットをお腹の辺りまで当てる。
ふわふわで触り心地が抜群だ。
気を抜いたら、眠気に襲われて目を瞑ってしまいそうなほどに。
「(ダメッ。いけない…!)」
むー…っと右頬を摘んで伸ばした。
「(せっかく、あやちゃんと二人きりなんだから旅行のお土産話しでも)」
ぱっ!と指の腹を離す。
「(……でも運転中だから、煩くしちゃ迷惑だよね。はしゃぐのは子どもっぽいし。…ヨシ!大人びた感じでくーるに構えよう。声かけられたら、ちゃんとお話して……)」
そんな決意を抱きながら、視線だけであやちゃんを見つめた。
「…………」
ハンドルを握る姿も、欠点のない綺麗な横顔もかっこいい。
ドキドキして話しかけるのを躊躇って。あやちゃん、と言いたい言葉を呑み込んで。また迷っているうちに、目の前が赤信号に切り替わる。ホワイトカラーのセダンはスピードを緩めて止まった。
窓ガラスから差し込む暖色が反射して、あやちゃんの金髪が柔らかに光る。
見惚れた私は、きつく結んだ唇の端をゆるゆる解いた。
わぁ…キレー……。宝石みたい。
「いさく」と、呼ばれ「ウン」と、受け止めた私の方へ、あやちゃんが顔を向ける。ストレートに下ろした髪の束をさらりと掬い、私の耳に掛けて。
「長旅で疲れただろ。寝ていいよ」
ぽん、ぽん。前髪を撫で付けるあやちゃんの瞳が静かな熱を宿したの。
信号は黄色をちかちかと点滅する。
私の胸もとくとくと早鐘に鳴る。
アクセルを踏み込んで車が進んだ。
冷風に混ざって、シャボンの芳香剤が鼻先をくすぐる。
———…深い夢に落ちた。



