甘々とロマンス中毒

移るローズマリーが私を意識ごと奪う。
「んぅ〜〜〜〜…っ。うぎゅ。このカッコ……きつい」あやちゃんに届かない小声で幸せ紛れに溢したの。

ぽやん…。と、夢心地なのはあやちゃんのせい。


「久しぶり。千花」

「………す」

「なあ、一咲との話はもう終わった?」

ことさら深くて低い声色が頭のてっぺんに落ちる。
肩が上擦った。見上げた先、あやちゃんに張り付いた表情は眩しい光に包まれて、見えなくて。

「…いえ、まだ終わってません」

「…………」

「大事な話の途中でした」

千花くんが私に視線を投げた。

「一咲ちゃんと二人にさせてくれませんか」

え?わたし…?

「って、言われてもな(“いーよ、全然”なんて言えねえし。……余裕ないな)」

「…………」

「相手がオマエだと尚更、ダメだわ」

背後から回されたあやちゃんの腕が、僅かながら力を強める。鼓動がとくとくと駆け足になってく。

「…………(そこまでして、オレのこと警戒するんだ)」

頭から爪先まで、からだのぜんぶ、あつい。

「ガキの頃からずっと、あやみさんはスマートでなんでも出来る大人だと思ってましたけど、意外と子どもなんですね」

「ああ。一咲の前だとそうみたい。だから、ごめんな」


な、な、な……!なにが起こってるの!?
けんか……?