甘々とロマンス中毒

千花くんへの人見知りは未だに解けません。一泊二日の旅行を経ても尚、敬語が抜けないでいる。

会話が止まって、気持ちを紛らわせるために、ちょこんと両手で持った抹茶ラテを飲んだ。


「一咲ちゃん。なんか、いいことあった?」

「え…っ!わかるんですか?」

「ん。顔にかいてある。」


頬杖をつく千花くんが、目線だけで私を眺める。
ぱちんっ。駆け巡る電流に刺激された。抹茶ラテをテーブルに置いて、掌をほっぺに押し当てたの。

優しく持ち上げると、唇の端が一文字にきゅって結ばれた。ヨシ…ッ。一咲流のくーるを演出する。

もう一口、飲みかけて。伏せた睫毛の隙間から千花くんと視線が交わって。努力虚しく、一咲なりの硬い表情は崩れた。



「……………彼氏と連絡取ってんの?」

!!??

「かか、彼氏じゃないっ」

「…………」

「付き合ってないです…なに、きゅうに……千花くん、なんのコト?」

「あやみさんのこと聞いただけ」

なぜ、あやちゃん!?

「(落ち着け、一咲)」

冷静を装ってるものの、心の真ん中はあたふた忙しい。更に頬杖を深めた千花くんが、ふうん、と抜けた声色を漏らす。

「ずっと一咲ちゃんの片想いなんだ」


ぷしゅ〜〜…。
頭のてっぺんから熱が浮いた。
……図星、突かれちゃった!