とくとく。体中を巡る大きな音はぜんぶ、私が鳴らしている。
柔らかな前髪から覗くあやちゃんの瞳は、やっぱり寂しそうに笑う。“あやちゃんごめんね”を込めて、ゆっくり首を下ろした。
「ウン…」弧を描いた言葉が絞り出される。
あやちゃんのご希望を叶えられない私自身を恨めしく思う。一咲が二人いたら良かったのに、なんて。たらればが過ぎるのだ。
「ずっと前から約束してるの。私も楽しみにしてるし、可愛い水着も買ったんだ(泳げませんが)」
「ですよね」
ローズマリーの残り香が首筋に触れた。深い匂いが鼻先をくすぐる。
「友だち付き合いに口挟んで悪かったな」
「ううん。いーよ」
ぽん、ぽん。と、あやちゃんが私の頭を撫でた。お返しに私もあやちゃんの頭を撫でる。びっくりしてるあやちゃんが可愛くて、緩む頬が隠せないでいる。
「(ヨシヨシ。さっきのはヤキモチ……?なのかな)」
恋心が、ぽわ…と甘い余韻に包まれた。
「〜〜っ。あやちゃん、なんでそんなこと言うの?」
「んー……どうしてだろ」
あやちゃんの口角が意地悪に上がった。はぐらかされる私の頬に、小さな不満が溜まる。
「一時間置きにLINE送るね、写真も付けます、お土産も買ってきます。だから、帰って来たら私と会ってくだひゃ……さいっ」
一番大事なとこで噛んじゃった!
ふふ、とあやちゃんが、とびきり優しく微笑んだ。
「かーわい。お願いされなくても、俺は一咲に会うつもりだよ?」
柔らかな前髪から覗くあやちゃんの瞳は、やっぱり寂しそうに笑う。“あやちゃんごめんね”を込めて、ゆっくり首を下ろした。
「ウン…」弧を描いた言葉が絞り出される。
あやちゃんのご希望を叶えられない私自身を恨めしく思う。一咲が二人いたら良かったのに、なんて。たらればが過ぎるのだ。
「ずっと前から約束してるの。私も楽しみにしてるし、可愛い水着も買ったんだ(泳げませんが)」
「ですよね」
ローズマリーの残り香が首筋に触れた。深い匂いが鼻先をくすぐる。
「友だち付き合いに口挟んで悪かったな」
「ううん。いーよ」
ぽん、ぽん。と、あやちゃんが私の頭を撫でた。お返しに私もあやちゃんの頭を撫でる。びっくりしてるあやちゃんが可愛くて、緩む頬が隠せないでいる。
「(ヨシヨシ。さっきのはヤキモチ……?なのかな)」
恋心が、ぽわ…と甘い余韻に包まれた。
「〜〜っ。あやちゃん、なんでそんなこと言うの?」
「んー……どうしてだろ」
あやちゃんの口角が意地悪に上がった。はぐらかされる私の頬に、小さな不満が溜まる。
「一時間置きにLINE送るね、写真も付けます、お土産も買ってきます。だから、帰って来たら私と会ってくだひゃ……さいっ」
一番大事なとこで噛んじゃった!
ふふ、とあやちゃんが、とびきり優しく微笑んだ。
「かーわい。お願いされなくても、俺は一咲に会うつもりだよ?」



