甘々とロマンス中毒

「ウンッ。テーマパーク行って、カップケーキのアトラクション乗るのっ。今年のパレードはバルーンを使った可愛いダンスがあってね…(あやちゃんにも見てもらいたい)」

「…ん?」

饒舌なお喋りは止まることを知らない。
あやちゃんの、まろやかな音に攫われると、私の恋心は羽をつけて舞い上がる。

上向きな睫毛を更に持ち上げ、ふわりと問うた。

「撮った写真、あやちゃんにLINEで送っていい?」

「ぜんぶちょうだい」

欲張りな乙女心が、煌めきを含んだ一言に奪われた瞬間。「はあい。へへ」と、言葉の全てが丸みを帯びる。目尻がだらしなく垂れちゃう。

動画を再生しようと、膝の横に置いたスマホを手に収めかけたときだった。

ローズマリーの香りに抱きしめられた。


「———…で、どうして俺は一咲に会えないの?」

指先が触れ合う。あやちゃんが、私の俯いた顔ごとぐっと覗き込んで「ねえ」と意地悪に問い詰められて。

「エ〜〜…と、あの……らいしゅー…旅行で、帰ったらバイトと」

「…………」

「土曜に千花くんたちと海行って……日曜はふうちゃんと遊ぶの」

「…………(“また”千花がいるんだ)」

「その日はパパの誕生日だから夜、お祝い…しなきゃ」


あやちゃん、ちかい……。