甘々とロマンス中毒

思い出すと、胸の奥底に苦いものがつっかえる。
伏し目がちに「…………欲しいです」そう頷けば、あやちゃんの唇に、余裕を含んだ笑みがのる。

カランと軽やかな音が鳴り、機械の投入口に100円玉が押し込まれた。アームが丸々したうさぎを挟んで持ち上がって。少しばかり左に移動。落とし口に直下した。


「わ…っ!凄いっ」

「やった、一回で取れた」

あやちゃん、すごいねえ、と繰り返しはしゃぐ私の隣で、取り出されたうさぎが顔の前まで近づいて一旦止まり…。

「ん。どうぞ」

ちゅ、と私の頬にキスをする。
甘い不意打ちは、あやちゃんに渡されたうさぎからで。

「!(〜〜っ、してやられちゃった……)」


驚きのあまり、声も発せなかったの。
だけど、それも一瞬の出来事。可愛すぎるあやちゃんの行動に口元が綻んだ。

そうしてまた、あやちゃんが満足そうに、くすと笑うものだから、ときめきゲージからキュンが零れる。はらはらと恋の欠片が散らばる。


「ありがとー…。大事にします」

「一咲に喜んでもらえてよかった」

小悪魔うさぎを胸に抱きしめる私の頭に、あやちゃんの手が、ぽんとのった。

「じゃ、帰るか。家まで送るわ」

「うん」