「陶史郎さんと話がしたくて、玉置さんは電話をくれたのかな・・・って」
もし陶史郎さんが傍にいても、相手が誰かすぐ気付いた。いなくても“伝言”を残せる。
「・・・玉置さんにとって陶史郎さんはまだ若だから、そうじゃないなら終わりにしてあげて」
背中を向けても終わりにならないと思うから。
「玉置さんが好きなら、一緒に来いって言ってあげて」
どうしたいか決めるのは玉置さんだから。
「嘘は吐かないであげて」
願ったことをありのまま。
回された腕に閉じ込められながら、陶史郎さんはしばらく黙ってた。イエスでもノーでも、くれる答えに自分がなにか言う権利はないって知ってる。
髪に吐息が埋まった。
「・・・樹はときどき大人だねぇ」
もっと、ぎゅっとされる。
「約束しないけどね。考えておく」
風がすり抜けるみたいに素っ気ない。でも。
「ありがとう陶史郎さん」
「まだ何もしてないよ」
かじられた耳に残る、呆れてそうで苦そうで、砂つぶくらいの甘さも溶けたつぶやき。
もし陶史郎さんが傍にいても、相手が誰かすぐ気付いた。いなくても“伝言”を残せる。
「・・・玉置さんにとって陶史郎さんはまだ若だから、そうじゃないなら終わりにしてあげて」
背中を向けても終わりにならないと思うから。
「玉置さんが好きなら、一緒に来いって言ってあげて」
どうしたいか決めるのは玉置さんだから。
「嘘は吐かないであげて」
願ったことをありのまま。
回された腕に閉じ込められながら、陶史郎さんはしばらく黙ってた。イエスでもノーでも、くれる答えに自分がなにか言う権利はないって知ってる。
髪に吐息が埋まった。
「・・・樹はときどき大人だねぇ」
もっと、ぎゅっとされる。
「約束しないけどね。考えておく」
風がすり抜けるみたいに素っ気ない。でも。
「ありがとう陶史郎さん」
「まだ何もしてないよ」
かじられた耳に残る、呆れてそうで苦そうで、砂つぶくらいの甘さも溶けたつぶやき。



