溺愛銃弾 〜メルティ・your・バレット~

引っ張り起こされると、坐り直した陶史郎さんの膝のあいだで後ろ抱きされる。

「つまらない心配させるために、お前と一花を連れてきたんじゃないよ?」

右耳を甘噛みした声には、溜息と意地悪が混ざってる。気がする。

・・・そうなのかな。陶史郎さんのことだけ考えて、ほかのこと考えちゃいけなかったのは、ほんとはそういう意味だったのかな。

「俺にどうして欲しいの。上手におねだりできたら聞いてあげようか」

見えない銃口を背中に突き付けられたまま、試すみたいに笑った。気がする。

どうしてほしい。胸の中でひと文字ずつなぞる。

若に戻ってほしいわけでも、陶史郎さんが望まないなら、支倉の家に二度と帰らなくてもいい。だけど。

いつからか、ふたりはどっか痛そうだった。痛いのを見せないように、本当のことを言わないで陶史郎さんは玉置さんを置いてきた気がする。

玉置さんがお義父さんの味方をする、ほんとうの理由があるかもしれない。・・・ないかもしれない。

痛くなくなってほしい。
なにも叶わなくても、せめて。