溺愛銃弾 〜メルティ・your・バレット~

いつも聞こえていた声。聞けなくなった声。なんだか心臓がぎゅっとなる。なんだか、張ってたものがゆるみそうで我慢する。

この番号も、もしかするとこの場所も、玉置さんはなんでも知ってるひと。今は味方じゃないかも知れないひと。でも・・・自分にしてくれた全部を忘れない。

「あの、なにも言わないで来てしまって・・・」

口から弱く零れた。お世話になったお義父さんお義母さんにも、お礼を言わなかったことは、ガラスの引っかき傷みたいにこれからも消えない。

『過ぎた話です。樹さんを責めるつもりはありませんよ』

目の前にいないから見えない。玉置さんが本当はどんな顔してたか。

『・・・私だと分かって電話に出たんですか』

「そう、です」

お腹に力をこめた。

言いつけを破って陶史郎さんに殺されるかな。首の後ろを電流が走ったみたいにチリチリした。

間違いだったかもしれなくても、もしカミサマがいて陶史郎さんと玉置さんを元に戻してくれるなら、役に立つなら。死んでも、意味のあるほうがいい。