溺愛銃弾 〜メルティ・your・バレット~

洗濯の終わったブザーが廊下から聞こえた。おんぶした一花が愛らしくお喋りするたび、返事をしながらベランダに干し終える。薄曇りだけど風は通るから乾きそうな日和。

おんぶしたままは立ったり座ったりがつらい。次はモップの床掃除に取りかかろうかと、背中の一花を気にしたとき着信が響いた。

電話をくれるのは一人しか。さっき出かけたばっかりだけど。テーブルに置きっぱなしのスマホを手に取った。

番号の表示。陶史郎さんじゃない。名前のしか出なくていいって。・・・だけど。

最後の4桁が1046。陶史郎さんが自分用にくれたスマホの番号と同じ。前からそうで、語呂合わせで『とうしろう』。これなら忘れないよ、って。それを知ってるのは、あとは。

音は鳴り止まない。画面をじっと見つめる。知らないけど知ってる番号。だから。

指をスライドさせてスマホを耳に当てる。たぶん、きっと、玉置さん。息を吸った。

「・・・はい」

『ご無沙汰しています樹さん』