再逢  完

『暁人さんったら、一時の遊び相手
 としていい思い出が出来たと言って
 いたわ。ふふ‥‥残念だったわね。
 貴方のような一般人には到底理解
 出来ない世界なの。だから‥』

『梓さん』

ドクン

心臓がドクドクと煩く、吐き気が増す中聞こえた支配人の声に堪らずその場を
離れるとトイレに駆け込んだ

「ッ‥‥‥」

2人が‥‥婚約?
その事実よりも、日髙さんが一時の遊び相手だと言っていた事の方がショックで
頭が真っ白になる

あの優しい日髙さんが本当にそんな事を
言うなんてやっぱり信じたくない‥‥

早く持ち場に戻らないと‥‥

支配人に何も言わずにフロントを離れてしまったから叱られる事はもう分かって
いるけど、ちゃんと冷静を装って対応
出来るか不安で堪らない

自分の気持ちに蓋をしても、なんでこうも他人にこじ開けられるのかな‥‥

「‥‥ツラいなぁ‥」

これでは前世と同じじゃないか‥‥

だとしたら、やっぱり私はまた愛しい人の元を去る運命なのかな‥‥