再逢  完

体調が悪いと言ってもここ数日間だけ‥

あの事件から深い眠りにつけなくて、
多少は寝不足なのもあったけれど、日髙さんがそばにいてくれたから心は穏やか
だった‥‥

けれど、仕事中は割り切ろうと思えば思うほど心は反対で胸が締め付けられる
ばかりだ

「気持ち悪くて食欲がなかったんです‥
 ダメですね‥プロのホテリエになりた
 いなんて言っておいて‥‥自己管理
 すら‥‥ッ‥」

ずっと泣くのを我慢していたのに、
優しく頭を撫でてくれる瑆さんの優しさ
に一気に涙が溢れ出す

日髙さんに会いたい‥‥‥

こんな時でさえ、叶わないのに願って
しまう自分の弱さが嫌で仕方ない‥

「瑆さ‥‥ッ‥‥私‥」

『こら‥‥妊婦さんなんだから情緒
 不安定じゃダメでしょ?』

ドクン

両手で瞳を覆っていた私は、今聞こえた
内容に泣きながらも固まり、ゆっくりと
手を外すと、瑆さんの方を見た

「‥‥ヒック‥‥グスッ‥‥嘘‥‥」

『色々あったから気付かないのも
 当然だよ。でもね、鳥山さんの
 お腹の中には小さな命が一生懸命
 生きてる。これだけは本当だから、
 早く元気にならないと、ね?』

私のお腹に‥本当に‥赤ちゃんが‥?