再逢  完

それでも、やっぱりここに来てくださった方々にはいい思い出の一つになって
欲しいから手は抜きたくない‥‥

橘さんと一緒に部屋を掃除していき、
最後に残すはスイートルームになり
2人で向かうと、ちょうど部屋の扉が開いたので近くのスペースに邪魔にならないように避けた。


『それじゃあ行きましょう?
 暁人さん。』

『ええ、そうですね。』

えっ‥‥?

見るつもりはなかったのに、部屋の中から出てきた日髙さんが、いつも私に向けるような優しい笑顔を花苑様に向けられている姿に青ざめる

いつから部屋にいたのだろうとか、
私に距離を置きたいと言ったのは
花苑様が関係してるの?とか考えたく
ない様々な妄想に吐き気がした

ドアが閉められこちらに歩いてくる
支配人と花苑様に冷や汗が流れながらも、込み上がる吐き気をグッと我慢する

勤務中だ‥‥
仕事中だから普通にしないと迷惑をかけてしまう‥‥

橘さんと頭を下げて通り過ぎるのを待つ
と、目の前で立ち止まった赤いヒールに
心臓がドクンと跳ねた