再逢  完

日々の業務の忙しさや、自分のステップアップ、それに、鈴子の事もあって見張られてるなんて気にもとめていなかった



『随分と‥仲がよろしいのね?
 わたくしという婚約者がいるのに、
 泥棒猫のように纏わりついて、
 奪うなんて‥少々貴方のことを
 みくびっていましたわ。』

「ッ‥奪うなんてことしてませんッ‥。
 それに、その婚約は日髙さんの
 お気持ちを無視したものですよね?」

『生意気ね‥‥』

「ッ!!」

思い切り振り上げられた花苑様の手が私の頬を打ち付け、あまりの痛さに顔を歪めてしまった


日髙さんは、ご両親にはっきりと自分の気持ちを伝えていた

だから、私は心配いらないと言った支配人を信じて毎日過ごしていたのだ

「人が‥誰かに惹かれるにはそれなりの
 理由があるんです‥‥。あなたは
 こんな事をしていて、日髙さんに
 好かれると思ってますか?」

昔の私は、目上の方に口を挟めるような立場じゃなかった‥‥

勿論、花苑様のような家柄の人にだって、一般人の私が楯突けるとも思っていない‥‥

でも、この日髙さんに対する真っ直ぐな
気持ちに嘘をついたまでこの人から逃げたくはなかったのだ

『あなた‥‥今の状況が分かってる?』

えっ?