再逢  完

もう一度顎を捉える長い指に、全身が熱くなり、慌てて支配人の胸を両手で押すと、自転車に跨る

「も、もう行きます!!‥ッ‥
 揶揄わないでください!」

『フッ‥‥ほんとなんだがな。
 気をつけて行っておいで。』

「ッ!‥い、行ってきます!」

支配人は日に日に甘さを増しているのは
気のせいだろうか?

初めて会った時からどんどん愛しい気持ちが膨らんでしまって勤務中は隠したいのに面白いのかワザとああしてちょっかいをかけてくるのだ


やめて欲しいと思いながらも、結局は嬉しいなんて思う私は、口元が緩む情けない顔をなんとか引き締めると深呼吸をして坂を下った。


『鳥山さんそれ全部自転車で運べる
 かい?トラックでホテル付近まで行く
 用事があるから甘えなよ。』

「斎藤さんいいんですか?思ってた
 よりも収穫出来る量が多くて、正直
 坂を登る自信なくなってました。
 ありがとうございます、ホテルに
 はそう連絡しておきます。」