『ッ‥‥私‥‥毎日夜空を見上げて
 おりました‥‥。あなたと見た美しい
 月は何処にいても見られたんです。
 私のような身分のないものでも、
 誰かに愛されたこと‥これ以上ない
 幸せでした。あなたは‥幸せな人生
 を過ごせたのでしょうか?』

『幸せだった‥‥‥。鈴子を知れた
 人生だ。長いながい人生のうちの
 君との少しの時間が支えだった。
 だから‥‥ありがとう‥‥この言葉を
 君に伝えたかった‥‥。』

『ッ‥圭吾さ‥‥私もです‥‥。』

生き抜くだけでいっぱいいっぱいだった
貧しい日々に、光を見出してくれたのは
紛れもなく圭吾さんだ‥‥。

今はもう身分など気にせず、この方を
抱き締められる‥‥

見上げた先にうつる愛した人の顔を見て
、泣きながら笑顔を向けると、圭吾さん
も安心したように笑ってくれ、そっと
影を落とすと、優しく唇が塞がれ、二人はもう二度と離れないと約束をし瞳を閉じた。


「‥‥‥ん‥‥」

『‥‥起きたか?』

えっ?