『君のことだ‥どうせ落ち着かなかった
 のだろう?』

片付けを終えると、支配人が持参した温ハーブティーを淹れてくれ、そこでようやくホッとしたのか肩の力が抜けていく

小さく頷く私の隣に腰掛けた支配人が
私の肩をそっと抱き寄せると、大好きな香りに包まれてよりリラックスする

『不安だったらこのまま腕の中で
 聞いてていい。』

えっ?

『ツラくなったらすぐに言えばいい。
 言えないくらいツライ時は俺の胸を
 叩けばいい。』

支配人の深い思いやりに思わず涙が
溢れそうになりながらも、頷いた後
背中に腕を回して抱き付くと、顎を捉えられ軽く唇にキスを落とされるも、やっぱり不安は拭えない

『先日、圭吾さの従兄弟にあたる
 家系の方と連絡が取れて、圭吾の
 事を幾つか教えてもらったが、
 圭吾は障害独身を貫いたそうだ。』

‥‥‥独‥身?

驚きよりも信じられないという思いが
強く、支配人のシャツを両手で握りしめる

そんな‥‥だって‥‥ハルさんは?
2人は婚約までしてたのに?


『詳しいことまでは分からなかったが、
 彼は貧しい人達への支援などを
 進んで行い、様々な事業に携わって
 いたから、このホテルに関わった
 のも最初は偶然なんだろうと思って
 いたが、つい最近アルバムの間から
 見つけた彼の手紙があった。』

えっ?