女性は一層美しく顔が歪み怒りを露わにするものの、男性は相変わらず表情一つ崩さず話を聞いていたけれど、最後にフッとまた笑った。

『祖父さんに似てきたな‥帰るぞ。』


目を逸らさない支配人を何秒か見つめた
男性が背を向けると、女性は慌てて
後を追った。

『‥‥‥‥』

「‥大丈夫ですか?」

『‥‥‥君がいなかったらもっと暴言を
 吐いていたかもな。‥ありがとう、
 この手に救われた。』

ご両親が出て行った後も、ずっと入り口の扉を眺めながらそう呟く支配人に何故か胸が締め付けられる

今が勤務中じゃなければ、抱き締めたいと思うほどに‥‥

その後、津野田さんが戻られて何事もなく午後は事務仕事に追われていたけれど、仕事が終わった後どうしても気になって支配人の部屋を訪ねると、部屋に入った瞬間に腕の中に閉じ込められた。

安心する香りに包まれながらも、何処か辛そうな支配人にやっぱり胸が痛む


「‥‥今日ここに居たらダメですか?」