隣に立つ支配人が心配でそっと見つめる
と、見たことがないほどの険しい表情で
真っ直ぐに男性を見ていた。

『フッ‥‥お前も言い返せるように
 なったんだな。しかし、断ることは
 許さない。』

『お言葉ですが、名ばかりの両親に
 従うつもりはありません。私を
 育ててくれたのは亡くなった祖父母
 です。家の為、事業の為に育てても
 ない息子を駒に使う事に恥じらいを
 持たれた方が良いかと。』

『暁人さん!!』

幸い他のお客様がいないものの、支配人
が積み上げて来たこの居心地の良いホテルがこれでは台無しだ‥‥

いつも落ち着いていて冷静な支配人が
ここまで感情を露わにするなんて、私には分からない何かがあるのだと思い、
握られていた手をそっと強く握り返した

『どうぞお帰りください。祖父が
 亡くなった今も変わらず、あなた
 達はここに来る事は許されていない
 はずです。あと‥何度も花苑様を
 スパイのようにここに滞在させる
 のもご遠慮願います。』

支配人‥‥