どうしよう‥‥
2人の威圧感に緊張なのかよく分からないけれど、体が強張って動けない‥‥



『連絡もなしに何しに来たんですか?』

ビクッ

冷や汗が流れそうなほど指先が冷たくなっていたのか、支配人の声が聞こえたのと同時に手を握られた。

カウンターで見えないとはいえ、こんな事がバレたりしたらと思う反面、この手の温もりがどれだけ安心したか‥‥

『息子に会いに来てはいけないの
 かしら?こちらも忙しいのよ?
 主人が帰国したのよ。少し付き合い
 なさい。』

息子‥‥‥

支配人が何度か口にするご両親の話は、
表情がいつも曇っていた。

どんな人達なのかは分からないけれど、
少なくとも、久しぶりに会った息子に
とる態度と表情ではないことは確かだ

『フッ‥‥申し訳ないですが、ここを
 離れられないので、ホテル内で食事
 くらいでしたら伺いますよ。それ以外
 はお断りします。』

『暁人!あなたって子は‥ッ!』

『暁人』

たった一言なのに、その場を制する圧を
感じる声に、自分が呼ばれた訳でもないのに体が震える

『話がある。夜○○ホテルに花苑様と
 来なさい。』

『断ると言ったら?』