『鳥山さん、帰る前に演奏でも聞きに
 いかない?』

お腹が美味しいもので満たされた私は、
ワインでほろ酔い気分の中瑆さんに手を
取られると、フワフワした気分で一緒に
奥のスペースへと歩いていく

『ふふ‥‥たった2杯で酔ったの?
 これは叱られるかな‥‥』

「大丈夫ですよ‥私がお代わりしたん
 ですから。」

『そう?じゃあこの後何が起きても
 俺は知らないからね?』

えっ?

フワフワした足取りで瑆さんの腕に掴まりながら歩くと、ステージ上でピアノを演奏する男性をジッと見つめると、彼も
私の方を見て目を見開いた


「嘘ッ‥‥支配人がどうして?」

ほろ酔いだったのに一瞬で酔いが覚め、
目の前の美しい顔立ちの支配人に釘付けになる

仕事中のスーツ姿も勿論素敵だが、
真っ黒のタキシード姿はここに来ている
人全てを魅了していた

瑆さんに聞きたい事も沢山あるけど、
演奏中は静かに皆さん聴いていた為、
私と瑆さんも席に腰掛けて曲が終わるまで待つことにした。