『鳥山さん、大丈夫?』

「えっ!!?だ、大丈夫です。」

昨日の支配人の部屋での時間を思い出してしまい、一瞬上の空になってしまって慌てて我にかえる

だって‥‥あの後も本当に甘い時間で、仕事中の支配人とのギャップに思考が
追いつかず腰砕けになってしまったのだ

あの綺麗な顔に見つめられ、少しだけ
温度の低い指先で頬や首筋を撫でられ、
薄くて形の良い唇が沢山私に触れた‥

こんなの‥考えたくなくても頭の中が
支配人でいっぱいになってしまう

フロントに立つ時間は勿論集中しているから大丈夫なのだが、休憩時間になると
電池が切れたかのように思い出す

『暁人がこんなにのめり込むなんて‥。
 君‥一体何したの?』

「えっ!?‥わ、私は何も‥‥」

前世の記憶の事を他の人に話すつもりも
ないし、信じてもらえないだろう。

何もないとは言っても、きっかけは支配人が圭吾さんの生まれ変わりだから、
こんなにも深く関わることになったことには違いない

キラキラした笑顔で私をじーっと見る瑆さんに苦笑いをすると、少し冷めてしまったスープを飲んだ