なるべく見ないようにしていつつも、
フロントにいれば必ず視線を感じてしまうものだ

『申し訳ございませんが、彼女は今
 別の業務が』

『津野田さん、後は任せて下さい。』

ドクン

執務室で、仕入れ先の方とお話しされていた支配人が戻られると、津野田さんと
私の間に立った。


不思議だ‥‥

今の今まで不安で堪らなかったのに、
支配人の声を聞いただけで、ホッと
している自分がいる

『暁人さん!私のお出迎えをして下さる
 なんて嬉しいわ。』

『花苑様、お待ちしておりました。
 ウェルカムドリンクはシャンパンで
 宜しいですか?それとも地元の
 フルーツジュースのご用意もできます
 がいかがですか?』

『ふふ‥‥あなたのおすすめでいいわ。
 お部屋に用意してくださる?荷物も
 暁人さんが勿論運ぶのよね?』

えっ?

少しだけ前のめりになった花苑様が
暁人さんの腕に手をかけると、何故か
私の方をチラッと見て来た。