「ッ‥私‥寮に帰ります。」

これ以上見つめあっていると、不謹慎
にもその腕の中に飛び込みたくなる

忙しいのに、私の事で業務をストップ
させるわけにはいかない。

絡められた指を離すには心苦しいなんて
思いながら支配人を見上げれば、綺麗な顔が近づき唇が塞がれた

「ッ‥ん‥」

軽く啄むように落とされたその行為に
すら気持ち良いなどと感じてしまいながらも、赤い顔を見られたくなくて顔を背ければ、今度は首筋に顔を埋めた支配人がそこに唇を落とした

「し、支配人!!」

『‥‥‥お守りだ。』

えっ?

私を見上げる綺麗な整った顔に、心が
ドキッと騒つく。

お守りって‥‥だって今のって‥‥

『フッ‥‥‥‥足りないなら‥』

「た、足りてます!!し、失礼します
 ね。」

もう一度近づく支配人をグッと両手で押し退けると、勢いよく立ち上がり執務室を出た。

‥‥‥勤務中なのに、あんなことを
してしまうなんて‥‥弱っていたから
か、つい流されてしまった‥‥

気を引き締めないとな‥‥

花苑様が来た時に、支配人の隣でいつも
通り居たいから‥‥。