心の音-ココロノオト-


毎週土日のいずれか、茜部先輩の家で本を読むのが日常になっていた。

平日も基本的に茜部先輩が傍にいることが多かった。

特に話してくれることもないけれど、傍にいることが心地良ささえ感じていた。

好きが止まらなくなる気がして、というか止まらなくて、日々困っている。


夏休み前日の、うだるような暑さの帰り道。

私は茜部先輩に聞いてみた。


「何でいつも一緒にいてくれるんですか」

「…は?」


少し怪訝な顔をされた。


「…先輩、ちょっとモテるから、女避け?ですか」

「そうだとして家まで呼ぶかよバカ」


確かにそうだ。


「んー…」


悩んでいると、はあと溜め息をつかれる。


「鈍感」


と額にコツンと指を当てられた。


「…付き合うか」

「え」

「え、じゃねーよ。答えは?」

「勿論!」


急なお付き合い宣言に、驚いたけど嬉しかった。