心の音-ココロノオト-


水曜日以外の日も茜部先輩は、雨ではない日は中庭のベンチに来るようにと、わざわざ私の教室に来て誘いに来るようになった。

雨の日は呼びに来てくれなくて、憂鬱だった。

何でかは教えてくれない。

私を、何で誘ってくれるのか。


「胡桃」

「はい?」

「家、来るか?」


ぽかんとしてしまった。


「なんだそのアホ面」

「家、ですか?」

「父親が、本好きで。絶版になったような珍しい本なんかあるぞ。興味無いか?」


絶版…!

お父さんの本好きから、茜部先輩の本好きがきてるのね。


「行きたいです!」

「ふっ、明日か明後日、来るか?」

「明日行きたいです」

「了解」


好きな人の、家。

何着て出かけようか。