憎しみに溢れた貴方



あいつと再会したのは、数年後のことだった。

「いきなりこんなところに呼び出して、何?」

あたしたちが立っているのは、海のすぐそば。

なんなのかと思えば、こいつは微かに口角を上げた。

「あの時のこと、覚えてる?」

全く、いきなりどういうことなんだよ。人生滅茶苦茶にされてどんな気持ちですかとでも聞きたいの__

ドンッ!!

考えている間に、いつの間にかあたしの足は地面から離れていた。

目の前には、不気味なほどに嬉しそうな顔をしたあいつ。

あたしは、落とされた。

落とされた。殺された。あいつに。殺された!

なんで、なんでまた、なんでなんでなんでなんで__

残酷な程に冷たく哀れな水に包まれる。

苦しい、苦しい。冷たい。逃げたい。

いっその事なら早く死んでしまいたい。

息の吸えないこの地獄で、無駄な意識が保たれている。

絶対に、あいつを許さない。

あの世にいっても、絶対に。

この感情は、死んでも一生忘れない。

お願いだから、あいつだけは刑務所で孤独死でもして、世界一惨い死に方をすればいい。

ああ、息が吸いたい。

楽になりたい。

もう、あたしはもがくのも辞めた。


あたしの中の空気は、全て海に呆気なく溶けていった。